5月 23, 2010
tronmc

映画:超電王トリロジー EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル(ネタバレ有)

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パンフレットも一作につき一冊みたいです。その代わりちょっと安くて500円という価格です。

仮面ライダー電王の映画というと、後半畳みかけるような派手なライダーアクションが展開される割にというか、代わりにというか…物語の座りが悪いというか、シメがイマイチというか…。これまでのものにはそういう印象があったのですが、今作はそういう意味では逆のものになっていました。

ライダーアクションはお世辞にも派手とは言えません。TVシリーズくらいかな、という印象です。
後に控える2作「EPISODE BLUE」、「EPISODE YELLOW」では、それぞれNEW電王というあまり詳しく語られていないキャラに切り込んでいくことや新武器、ディエンドのコンプリートフォームやG電王という新キャラの登場という新要素が予告されていますが、この「EPISODE RED」ではそういったわかりやすい新要素もありません。

しかし、1時間10分程度という短めの尺で、単純に「いいお話」といえる物語と魅せるところはしっかり魅せる演出で、かなり気持ちよく見られる一本でした。
TVシリーズに近い雰囲気があり、シリーズ終了後の映画版にはちょっと馴染めない…という方にもオススメできます。前述の新要素のこともあり、トリロジー3作でも一番TVシリーズ寄りで見られます。
相変わらず良太郎はミニで、ゼロノスカードの縛りはどこかに行ってしまっていますが…。

あ、そうそう…。
ローカルな話題で申し訳ないんですが、今回行った上映館、一部リフォームをしたみたいでして、それに伴ってか上映クオリティが格段に良くなっていました。
粒子感が少なく、まるでハイビジョンテレビで見ているかのようなクッキリ鮮やかな映像が見られました。まさか映画館でこんな画質にお目にかかれるとは!と感動しちゃいました。
その代わり何人かのキャストさんのお肌はちょっと気になっちゃいましたね。誰とは言いませんが(-_-;)
ただしコハナだけは別格でしたw
パンフによるといつもほとんどしない化粧をしたそうですが、さすが若いだけある…?

では、いつも通りグダグダ書き連ねるネタバレ有りの感想については続きにて。

こんなところを見ている方には説明不要と思いますが(ていうか説明しだしたらキリがない!)、仮面ライダーゼロノス、及び変身する桜井侑斗という人物は、電王テレビシリーズでは物語の根幹に関わるキーキャラクターです。要素は異なりますが「超電王&ディケイド」でも物語のキーとなり、単なる「2番目(以降)ライダー」に止まらない存在です。
これまでのシリーズ終了後の映画版では比べると重要度は低く、存在感は薄めだったのですが、今回はとうとう主役となり、物語もTVシリーズのゼロノスのエピソードを引き継いだものとなっています。

ただし、設定解釈という面になりますが、TV版の後日談としてはいくらか目をつむらないといけない要素もあります。触れられていないだけのこと、という見方もできますので、あらかじめご了承下さい。

まず、ゼロノスカードの枚数問題が無くなっています。これはシリーズ終了後の劇場版からなので散々言ってますが…(厳密に言えば「俺、誕生!」も怪しいですが、TVシリーズと直接つながっている話なので一応ノーカウントで)。また、同様にゼロノスカードの消費による他人の桜井侑斗の記憶消滅もありません。この辺は2007年の愛理と婚約していた桜井侑斗(以下、桜井。過去から来た桜井侑斗は侑斗とする)の消滅によりギミックが変わったのかもしれませんが、真相は一貫して謎のままです。

また、愛理は両方の桜井侑斗の記憶を有しています
桜井に関しては、TV版最終回で消滅を目の当たりにしているのであまり不思議ではありませんが、侑斗も知っているのは一応新事実ということになります(それぞれ、お互いの記憶を代償とするゼロノスカードを使い切っているので、カードの作用とは矛盾するということになります)。さらに、桜井の消滅により侑斗がフリーな存在になったことも認識しており、TVシリーズでの謎を知っていることになります。TVシリーズでクリスマスのときにデンライナーに乗った際の愛理(つまり記憶を抹消させる前の愛理)と同じような状態と言えます。
ちょっとしっくりこないところはありますが、本作はこの設定がキーとなった物語になっています。

有り体に言えば一種の三角関係のようなものです。
侑斗は愛理のことが気になっていますが、愛理は侑斗の未来の姿(だった)桜井のことが忘れられず、引きずっているという中で、侑斗と愛理のエピソードが描かれます。
相変わらず桜井は役者がわからないようになっていますが、冒頭、その三人を三角に並べ、愛理と桜井の娘、コハナのナレーションによりその関係が説明されます。

その露骨さが表すように話の主題は侑斗と愛理の接近になりますが、作中ほとんどはいつもののノリの愉快な「電王」です。
しかし、前フリにも書いた通り魅せるところはしっかり魅せる作りで、侑斗と愛理の接近についてもじっくり描かれています。
…まぁ、単純に尺で見ればそんなに長くないわけですから、TVシリーズで作った土台がわかるからそう見えるだけ、という面も否定はできません。

しかし、逆に言えばTVシリーズを見ていた身からすればけっこうな切ない感動話なワケですよ!
もっとも、その切なさとか感動については、大部分は愛理の揺れ動きから来るものだとも感じました。要は、侑斗の葛藤とか、愛理への想いっていうのがあんまり強く見えませんでした。あるにはあるんですが、パンチの強さや描き込みに欠けるかな、という印象です。

そんな印象の補完として、物語以外に考慮しておきたい点があります。

まず、舞台となる時間です。2010年5月になっています。
TVシリーズも本作も公開時期に合わせた時間設定となっていますが、それをつながったものとして捉えるべきなのかどうか…。
つながっているとすれば、3年もの時間経過があることになり、侑斗にしても愛理にしても、想いの重さがずっしり加わります。ちなみに、それを考慮しても、しなくても楽しめる作りになっています。これは何気にお見事です。

次に、パンフレットの監督やキャストのインタビューから拾ったことなのですが、物語の解釈としては、侑斗vs桜井には決着がついておらず、愛理は侑斗を選んだということではないようなのです。
これはかーなーり大事ですね!
ただ見てしまうと、侑斗にくっついちゃったように取れちゃうんじゃないかな?という作りですが、あくまで二人の距離が近づいたにすぎない…と!これは見方がガラッと変わりますよ!
愛理の行動の背景も変わって奥深くなるのはもちろんなのですが、これが侑斗の想いというところで重要なのは、侑斗はやっとスタートラインに立ったんだ、という見方ができることです。
そうすると、あまり強くない想いの描写は逆にリアルになってきて、「好き」だとか「愛してる」ではなく、「気になっている」程度なのが的確ということになります。
サブタイトルが「ゼロのスタートウィンクル」ということで、もしかして「スタート」もかけてあるのかも?と思えて一挙両得です(笑)。そういえば、TVシリーズでゼロノスが登場した回のタイトルも「その男、ゼロのスタート」でしたっけ…。

設定こそ特殊ではあれ、ラブストーリーとしての作りはベタな方に入ると思う本作ですが、子供も見るものということがあってか、露骨な描写がないところや、上記のような見方をすると、なかなか爽やかでいいもんだなぁ、と思う次第です。

 

…とシメにしたいところですが、苦しいところも挙げます。
やっぱり、アクションですね。
今回はクライマックスは4ヶ月前から電王vsピギーズイマジン、ゼロノス&デネブは暴走トラックへの対処と荷台に閉じ込められた愛理の救出、と二手に分かれます。

電王vsピギーズイマジンについては、ソードフォームで互角から苦戦に追い込まれ、てんこ盛りして一撃フィニッシュ、とまぁ可もなく不可もなく、という感じです。
てんこ盛りしてからの戦闘がもう少し欲しいとは思いますが。
(ピギーズイマジンによるデンライナーの暴走も目的が見えなくて微妙でしたねぇ…)

問題はゼロノス&デネブです。
ベガフォームでマシンゼロホーンを駆り、アルタイルフォームが分離と共にジャンプしてトラックに飛びつくとか、ゼロホーンを駆るデネブとか見所もありましたが…
アルタイルは荷台に入り、愛理を抱きかかえてトラックから脱出しますが…そのまま飛び降りて抱きかかえたまま地面ゴロゴロはねーだろ!ヒーローらしからぬ、って感じだし、そもそも愛理さん危ないっつの( ̄▽ ̄;
飛んでパタパタ滞空するゼロライナーナギナタに掴まるくらいの粋なことはして欲しかった!最低でも飛んでシュタッ、と着地でしょ!w
デネブもデネブ。ブレーキが効かずガケに落ちそうなトラックを止めるのがタイヤを指の銃で撃ってパンクさせるだけ。それで済むならもうちょっと早くやりません?
愛理さんを傷つけたくない?だったら運転席の人間はいいのか?ていうかゴロゴロ(以下略)
作戦とはいえ、愛理の前でゼロフォームになり、ピギーズイマジンと戦った前哨戦でもほとんどボコられてただけなので、ゼロノスに関してはかっこいいところは全くなかったと言ってもいいでしょう。
愛理がアルタイルに寄り添う姿が様になった、ってくらいですか。

 

ということで、ヒーローもの的カタルシスはちょっと苦しめなんですが、意外にもラブストーリー的な部分が心情解釈とかするとけっこう見応えあったので良い一作だな、と思います。
TVシリーズの踏襲感や斬新さも加味すると、個人的評価はかーなーり、良い!

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