3月 3, 2006
tronmc

伝える、幸せ ―ちばぎんカップ―

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3月に入り、2006年のJリーグもいよいよ開幕である。
それを前にした去る2月19日、千葉県内の2つのJリーグチームが争うプレシーズンマッチ「ちばぎんカップ」が行われた。

ジェフ千葉は今季初の公式戦ということで、大きな戦力変更無く悲願のリーグ制覇へ望む今季を占う材料として重要な一戦であった。
加えて個人的には、大好きなチームの試合を初めて生で観戦するという機会になった。
それは未だかつて体験したことのない、この上なく幸せな時間だった。


 

残念ながら、私は孤独だった。

思えば、東北の貧乏学生であった私にとっては、私費を費やすことなくちょうど試合のある時期に関東圏に来られたこと自体が、天地がひっくり返るほどの僥倖であったのだ。
であれば、仲間まで求めるのは虫が良すぎるのかもしれなかった。

滞在地であった東浦和から、ちばぎんカップの開催スタジアムであるフクダ電子アリーナ(フクアリ)へ向かうには、まず南船橋へ向かい、そこから乗り換えをして蘇我駅へ向かう必要があった。
東浦和から南船橋へ向かう武蔵野線の中では、そんなことを考えてしまうほど不安が大きかった。

もちろん期待が無いワケではなかったし、それも小さくはなかった。
だが、こういう場合イメージしやすいのは言うまでもなく不安なのである。
なぜなら期待すべき楽しみは未だ体験したことのないもの。
対して不安は、大きく言えば疎外感だ。
いくらこんな晴れ舞台だからって、それをオミットできるほど人生は都合良くできていない。

だが、南船橋から蘇我までの京葉線。
ポツポツと「黄色い」人たちがそこにはいて、不思議と気持ちが強くなった。
そして聖地、蘇我駅からフクダ電子アリーナまでの道のりはもう、黄色、黄色、黄色。
私はまだレプリカユニフォームを着ていなかったから、違和感のある人種だったかもしれないが、心はすっかり溶け込んでいた気分だった。

自由席の当日券を買って入場。
スタンド外のグッズショップや飲食店には人だかりができていた。
グッズに対する物欲が湧き上がるが、まずは席を確保しなくてはならない。
試合開始まで一時間もない状況だったから、一階席は人が非常に多かった。
それで二階席に陣取り、レプリカユニフォーム着用。

だが、次第に違和感が募ってくる。
スタメンの発表、入場、試合開始…
流れにつれて一階席の応援のボルテージが上がるが、二階席はかなり大人しい。
応援の仕方もわからないため、ノるにノれない。
羞恥心でいっぱいな私は、手拍子を合わせてやるのが精一杯。
となりのグループは、私服で普通に会社の話をしている。
なんだか違う。「こんなことをしに来たんじゃない」という気がしていた。
ここまで来たからには、思いの丈をぶつけたい…

 

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この日のために用意したレプリカユニフォーム。
ナンバーはサポーターを表す「12」。
即ち、12番目の選手である。
11人の選手達が頑張っているのに、くすぶっていていいはずがない。
全力で走らなくては…!

そんな気持ちでハーフタイム。
スタンド外で人々が群がっていた灰皿の周りでタバコを吸っていると、近くにいた青年さんと会話がはじまった。
「寒いですねぇ」から始まったその会話の中で、私は初観戦であること、二階席でモヤモヤしていることを正直に話した。
すると、彼は言った。
席に荷物を置いている人もおり、そういう人に声をかければ入れてもらえるだろう、と。

3つの「C」をご存じだろうか?
もっと具体的に言えば、「Cha」だ。
これはアルバイトをしていた時分、尊敬していた店長から教わったものだ。
正確な定義は失念したが、人間としてよく生きるために必要なものだ。
それは、この三つ。

・Chance
・Change
・Challenge

チャンスを掴み、自らを変え、挑む。
迷う必要は無かった。即座にそれを実行した。
よくよく一階席を探してみると…あった!
荷物どころか人と人の間に空席があった。
知らない人だろうと話しかけるのは怖くない。そもそも、同じジェフサポなんだから。

「ここの席、座ってもよろしいですか?」

ハーフタイムに突然の来訪者。
両側の男性方にはさすがに驚きがあったようだが、快く受け入れてくれた。

後半、キックオフ。
ここからが本番だ!

一階席の威力はすさまじかった。
応援歌がするすると頭に入ってくる。
一巡聞いたら、二巡目からは声を張り上げる。
はっきり言って、気持ちいい!
立ち上がって観戦すること、手拍子を打つこと、声を上げること、何も違和感はなかった。

坂本が、羽生が、山岸が、水野が、マリオが…
攻め上がってくるたびに上がる歓声。

そして、時は来た。先制点は坂本!
理屈無しの全力シャウトで喜びが溢れた。

そして体は自然と左を向いていた。
全くの無意識で…
隣の人とハイタッチ!
もう、何かが繋がっていた。
そこにも、きっかけとか言う理屈は無かった。

「♪男・坂本!魅せろ!」
ゴールに湧いて歌った応援歌のターゲットになった男は、一度ならず二度もやってくれた。
坂本のアシストで仕事をしたのはマリオ!
「♪マーリーオー!スーパーマーリーオー!」
脳裏にさえ、某ヒゲオヤジの影はなかった。

スーパーマリオ=マリオ・ハース!

危ない場面はいくつかあったが、失点はゼロ。
そして2回もド級の喜びに浴する機会があった。なんという幸せなことだろう!

それにしてもフクアリは本当にピッチに近くて臨場感がある。
ものすごく生での見甲斐があるスタジアムと言えるだろう。
そんな近さだから、試合終了後ゴール裏に選手達が来るとより一層親近感が湧いて、ますますジェフというチームが好きになった。
立石、イリアン、勇人…ものすごく男前に見えた。

試合終了後は、スタンド外のショップで思わずグッズを買い込んでしまった!
ジェフィとユニティのハンドパペットが可愛くて可愛くて…
ちなみにどっちだか分からなかったが、選手退場時にイリアンとおいかけっこしてすっ転ぶ着ぐるみさんはマジで萌えた。

スタンド外といえば、朝起きてから何も食べずにフクアリに向かったので、朝食代わりにサマナラのビリヤーニとタンドリーチキンを食べたのだが、これもまたおいしくておいしくて…また言ったら絶対食べる!
ついでに、個人的には近くに松屋があるのも、フクアリ、ポイント高し。

悲願が達成した日だとか、記念日だとか…
そんな言葉じゃ片付けられないほど、幸せで充実した一日だった。
正直に言って、こんなにも楽しいものだとは思っていなかったのだ。

死んでもいいくらい幸せだった、と言える。

だが、まだ死ぬわけにはいかない。
幸いにも、春から関東に移ることになった。
これを始まりにして、今後はできる限り足を運んで声援を送ろう、そう思っている。

2 Comments

  • リンクありがとうございました!
    サッカーは横浜Fマリノスふぁんなので
    年に2、3回ペースで見に行きます
    もしかしたら、同じ会場ですれちがうかも・・・

  • ジェフとマリノスの試合でお会いするかもしれませんね。
    フクダ電子アリーナか日産スタジアムで!

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