4月 23, 2012
tronmc

ガンダムAGE アセム編の感想

フリット編の感想を書いたときは、偏屈親父と化したフリットが踏み台となり、アセム編がキラキラするもんだと思っていたが…ところがぎっちょん。まだまだフリットは踏み台に堕さず、息子のアセムが踏み台に堕す雰囲気に。何が起きてもおかしくない雰囲気こそあったものの、とにかく28話(アセム編最終話)が衝撃的に全てをかっさらっていった。

やはり短尺の中にいろいろ詰め込まれた印象。
敵が未知の状況からはじまったフリット編と比べると、双方の素性もそこそこ明らかになり、脱勧懲の戦争物…つまりガンダムらしさを志向したように見えた。しかし、それらしいこと(伏線というよりは、期待か?)を散々バラまいては散らかしまくったような格好になってしまった。最初はおもしろいんじゃないか?と思ったんだけどなぁ。

フリット編が終わったときは、次の世代への展望(期待?)を持つことができたが、それが外れたこともあり、今回は前情報を含めてもさっぱりどうなるか見えないぞ!
具体的な文句は続きから。

●MSや戦闘について

オープニングがフェイクをかました…というよりかはアレで勝手に期待してしまった。

連邦(主人公側組織)の機体は、きちんと前世代のものを引き継いだ、体系だったものになった。量産機はカラーも豊富で、ちゃんと揃って動いていればおもしろかっただろう。しかし、静止、もしくは一方向に動いてライフルを撃つだけの移動砲台が多く残念だった。(インベーダーゲームじゃないんだからさ!)
加えて、エースクラスにはよそ見もあり、ヴェイガン側の奇襲がよく効いていた。ヴェイガンはセオリーに従わず無法に戦う存在としたかったのかもしれないが、やられても自業自得だろう、という感じが強かった。

ヴェイガン(UE)側は機体クラスの棲み分けがシンプルになり、かなり馴染みやすくなった。ボスクラスはエースクラスとして意匠も進歩。差し色が派手になったゼダス等のエース機はビビッドな色、ザコは前作のものも続投したが、総じて地味で識別しやすい。
フリット編ほどの性能的アドバンテージがない中、移動砲台を移動砲台たらしめる確かな戦果があったことは忘れてはならない。ミューセルもあるし、連邦なぞに負ける気がしないのだが…。

▽AGE-1の再定義

・序盤のアセム搭乗による新しい戦闘スタイル/見せ場の付加
・アデル、Gバウンサーへの意匠引き継ぎ
・フリット搭乗のフラットで再び活躍

といった部分で、AGE-1が新しい側面を持って活躍したことには好感が持てた。
スペシャルな機体であることには変わりはないのだが、唯一孤高の存在から、特徴が拡散して目新しいものでなくなってもなお特別な存在へと性格が変わっている。
プラモデルではハイディテール決定版のMGが展開中で、そういう面でもAGE-1が一段と渋い魅力を放つ存在に変わった。

▽AGEシステムは…

ウリだったはずのAGEシステムはほとんど空気に。
フリット編では、ドッズライフルはすぐウルフに貸し出され、タイタスはGエグゼスに見せ場を取られ、最後にはディーヴァの強化にかり出される始末。ダブルバレットを生み出す程度に止まり、整形を頑張る描写もなかったのは、それを反省して従順堅実になったからなのか。
アセム家がMS鍛冶という話もどっかいったようで。
玩具のゲイジングが不憫でならない。

 

 

●アセムとは何だったのか

序盤は、ゼハートとの交流から、相互理解が生まれ、ヴェイガンに一方的に憎む父に疑念を抱き……という展開が予想されたが、ぎっちょんちょん。
それを含め、アセムにはゼハートやフリットのような大局的な信念は備わらなかった。フリットを間違った人間と見るのであれば、28話で最終的に連邦のパイロットとして落ち着いた姿は、小物に堕した、という印象すら与える。フリット編以上に、主人公が何を成していないんじゃないか、と。

アセムは最終的に「みんなを(周囲の人々を)守る」ということを戦う理由としておいているが、これはAGEデバイスを託されるときにフリットから受けた言葉と符号する。また、ソロンシティでは民間人に被害が出るとフリットに食い下がり、やさぐれるが、結局はロマリーを放火からかばったことをきっかけにAGE-2で戦ってしまう(話はそれるが、あそこでロマリー放置するか?w)。
なんだかんだで、アセムはフリットに帰結する存在のように見える。つまり、アセムも間違った人となる可能性もある。(改めて「守る」という結論を強調する28話で、フリットは犠牲を払う方向を選択しているのは対照的だが…)

他方、28話でアセムの衣装もAGE-2の機体色もウルフを真似たものとなる。今後、ウルフを引き継ぐのであれば、フリットの否定はアセムの否定になり、間接的にウルフの否定にもなるのではないだろうか。荒唐無稽な話だが、荒唐無稽なのは信条にそこまでの特殊性がないのにウルフだけ吊し上げているような体だからであり、旧来からのディーヴァクルー全員に同様の罪状があると思えば、その感触は是正されるだろう。
アセムがやるかもしれなかったヴェイガンとの相互理解が今後行われるのであれば、それもあながちおかしなことではない。劇場版00でELSを叩いていた人類と同じような構図だ。

偏った観測はここまで。
これはこれで僕らにとってはぎっちょんちょんで、アセム編はなんだったんだという話になるが、アセムはただ戦士になって、比較的当たり前の幸せと、学生時代と変わらぬ自尊心の保証を手に入れただけなのかもしれない。アセムの苛立ち、焦りは物語をリードしていったが、それも自己実現の話というだけ。
また、さすがに三世代はやれないウルフ・エニアクルの延命措置なのかもしれない。

一つだけ留意しておきたいのは、ここまでぎっちょんちょんだと、今後はもはやフリットが間違った人だとか、、罰が下されたり、改心の機会があるというような認識すら通じない文脈になる可能性もあることだ。
たいした根拠はないが、27話の最後、夕日の輝く地球に降りたディーヴァでの「この美しさを奪い合って我々は戦争をしているのだ」という言葉には、山田ユリンのトラウマを超越し、ヴェイガンへの憎しみを昇華して、大人として戦争をしているような印象を感じるのだ。

 

●ロマリーは「ビッチ」?

本編と直接関係ない話だが、2chまとめサイトでAGEの話を見ていると、ロマリーがビッチ、ビッチとよく書いてあって、ビッチというものが何なのかよくわからなくなってしまった。
真面目に考えたことがなかったが、個人的には、女性としての性質を過剰に行使することだと思っていた。女性としての性質とは、性的なことに限らないし、恋愛的な状態とも限らず、ときには異性であること、それだけが武器にもなるようなこともあろうが、異性に対する過剰な積極性がそこにはあると考える。

で、ロマリーは、女性を行使したように見えなかったので、ビッチという表現には違和感があった。
性別というより、友情や青春という観点から、自己の地位や関係性を修復しようとしているように見えた。
アセムともゼハートとも仲良しでいたかっただけなのだろう。
アセムは足りているのでゼハートに傾いたように見えたのだと解釈しているが、中途半端で説得力に欠けるのは言うまでもない。三人という関係性を取り戻そうという気概がなかったのも弱点だ。
不貞だったり、色気づいているとは取りにくい一方、その中途半端さの伴う関係性への欲求の裏、本質に、リア充的なかまってちゃん気質を見ることはできる。そこを付いた表現なのだろうか。よくわからん。

某監督だったら「女は刺激があればそれでいいのよね」なんて言って片付けそうだが、今のところ、スタッフにそういうカリスマ性は付与されていない。

 

 

●Xラウンダー!

せっかく再登場するも、とにかく不遇だったのがデシル。
クロノスをアップデートしたようなダブルバレットとくどい戦闘をした挙げ句、またも強面描写のガンダムに撃墜された。フリット編ではXラウンダーの怖さを見せつけ、今度はダメっぷりを見せつけてくれた。
アセムの「スーパーパイロットだ!」という爆笑の名乗りを引き出したのは殊勲賞ものだが…。

それはともかく、「スーパーパイロット」に「覚醒」したアセムによってXラウンダーの株は随分下がってしまった。
もっとも、それはあくまで戦闘における話。
戦闘以外で使われるケースもあり、とくにゼハートのフォトンリングレイの察知が印象的だった。あれは逆襲のシャアでギュネイやシャアが核ミサイルを阻止したのと同じことだと思っている。思い込んでいる。頼むからそういうことにしてくれ!
キオ編ではXラウンダーのそういう側面を見せてくれるんだろ?な?

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