レビュー:ペプシマン(プレイステーション)
■忘れるなってば■
いやホントに。最近影が薄くなってきたけど、忘れちゃダメだよ。 流行り廃りに流されて、ヒーローもポイポイ取り替えるのかい? そもそも最近は、何の流行りか知らないけど、謎を振りまくお話と、それに振り回されるヒーローばかりだ。 そんなやり方ばっかりじゃ、みんなも不安になるばかり。 でも結局は空腹の人に顔をもぎ取って差し出すような、あの人が一番支持されてたりする。 彼だって、あの人並みに親しみやすいキャラだと思う。 アメリカンだって違いはあるけど、真面目で間抜けなもんだから、目が離せないんだよこれが。 たった30秒程度のCMじゃ、ギャグっぽいところばかりが強調されて、そんなことわからないかもしれないけど, ていうかコレ、昔は腐れPC移植メーカー、今じゃ有名なギャルゲメーカーであるキッドのゲームだったりする。 |
■短いって?ちょうどいいよ■
このゲーム、3ステージ構成の舞台が4つの、計12ステージしかありません。
短いって?
そうかもしれない。
うまくプレイできれば、の話だけどね…。
そう、ちょっと難易度は高め。
しかし、使うのは学習能力と反応力。要は繰り返しやって「こうすればいける!」っていうタイミングや動作をちょこっと考えて覚えるだけ。スーパーマリオに近い感覚だと思っていい。
ついでに言うならアナログスティックは不要だし、必要なアクションは基本的に横移動とジャンプとスライディング(どちらもワンボタンで可能)だけなので、余計なイメージと操作のズレを感じずに、ステージ構成と自分との戦いという構図を楽しめる。
ただし、強制スクロールで、ペプシマンはクラッシュバンディクーばりに、いや、それ以上に画面奥へ向かってヘマをしない限り延々と走り続ける。立ち止まってのんびりしたりするヒマはないゆえ、そこは油断なさらぬように…。
操作の上では常に緊張感と隣り合わせだが、各ステージの障害やオブジェクトが、なかなかペプシマンらしい「なんでやねん!」感溢れるものになっているので、きっとそんなに気を張らずにプレイできるはずだ。
■さすが全編CM!■
障害やオブジェクト以外にも、らしさは満載。
スーパーマリオのコインのように、ステージにはペプシ缶が点在している。さすがにもうこの反重力○○○にツッコミを入れる人はいないと思うが、それを一定数取るとペプシマンはライフが回復し、その際おなじみの「シュワー!」ボイスを出してくれる。
思わず、ああ、なんてうれしそうなんだペプシマン!とか思ってしまい、プレイにワケのわからないモチベーションが湧いてくる。
もちろんライフが回復する、ということはライフが減っていた、ということ。
つまりそれ以前のプレイで何らかのダメージを負っていたワケだが、そのダメージのときも、実に痛そうなボイスを出してくれる。
文字にすると「プシュワーッ!」とか「シュオォォォッ!」ってなモンなのだが、ウル○ラマンともまた違う彼独特の野太い声は、とにかく筆舌に尽くしがたい。必聴である。
ペプシマンもCM以上の強烈な個性を放っているのだが、このゲームには彼に負けず劣らずの強烈な個性を放つキャラクターがいる。
それは、ムービーにのみ登場するやたら体格のいい白人のおっちゃんである。
おっちゃんはペプシだらけの生活。冷蔵庫を開ければびっしりペプシだし、しまいにゃペプシの空き缶だらけで部屋が歩けるのかっ!?っていうほどにまでなってしまう。
ゲラゲラ笑い、食い散らかし、挙げ句の果てにはムービーの最後に必ずペプシの宣伝文句(セリフ例:「Pepsi for pizza!」)を垂れ流してくれる。
ハッキリ言ってムカツク。
が、憎めなくなっちゃうほどの快活さと自堕落さの持ち主…。
彼が画面の中でゲラゲラ笑う光景を画面の外で見て笑うのは、なんだか動物園みたいな感じだ。
■総括■
今や「懐かしい」という言葉で表されるようになったアクションゲームとしての硬派さと、世界観のユニークさが光る!というか輝く!ボリュームも、価格や難易度を勘案すればかなり良い。気晴らしにパーッと遊べちゃう一本だ。
– 評価 –
総合:正直、総合的なバランスで見ればイチオシ。
個人:9点あげちゃう!