レビュー:メテオス
■見た目ユニーク■ 元HAL研の桜井氏だの元UGAの水口氏だのが関わってたり、Webサイトがヤケにテンション高かったり、珍妙なCM(最近のものとしてはそれほどでもないか…)があったり、とにかく話題性はあった(ような気がする)一本。 実際売り上げがどうだったとかは…まぁどうでもよし。 個人的にもかなり期待はあった一本だ。 ルミネスはどちらかというとテトリスに近い、一人で黙々とやっていくタイプなのだが、こちらのメテオスは真逆。 そっちよりも今では断然市民権を得ている対戦前提型のパズルゲームである。 どういったゲームかはWebサイトを参照していただくとして、対戦前提型にあるようでない、というか見えにくかったキャラクターの個性や性能がハッキリしている点がなかなかおもしろい。 このゲームではキャラというか「惑星」と呼ぶものなのだが、その惑星ごとに落ちてくるブロックの絵柄や特性、ステージの大きさが露骨に違い、わかりやすいと同時に、キャラクターを集めることも楽しみの一つとなっている。 |
■タッチパネルじゃないとキツい■
今更だが、DSのソフトということで、タッチパネルを使う斬新さには触れておかねばなるまい。
一応このゲーム、十字キーとボタンでも操作はできるのだが、正直こっちでやったのではたまったものではない。
処理すべきブロックはテトリス並かそれ以上に数が多く、ついでにブロック一個ずつを単位として処理しなければならないので、縦横無尽に動かせ、且つ繊細な操作系統が必要なのだ。
そこでタッチパネルの出番なのですよ。タッチパネルだからこそできたゲームだと思う。つーかタッチパネルじゃないとムリ。
ただ十字キーでの操作が用意されている以上、絶対、というワケではなく、「快適に操作するには」という言葉を付記せざるを得ないが…。
そういう点では以前レビューした「きみのためなら死ねる」と同様、新しい操作システムを構築した、というよりは操作の簡略化によりゲームプレイの敷居を下げたものであり、それによって成立したアイディアであると言える。
さらに言うなら、タッチパネルだからバッチリ!というワケでもない。
それであっても多少のプレイしづらさを否定できない。
全てブロックを思い描いた通りに動かしていくのは難しく、イメージと操作の間で齟齬が生じるときがある。
ここには、プレイヤーのこのゲームへの向き不向きを決定づける大きな問題があると感じている。
■限界へ…■
結論から言うと、このゲームの深い楽しみはプレイヤーの思考能力や手の早さの限界に依存し、結局はゲーマー向けのものであるのではないかと自分は見ている。
何もそれは当たり前のことではないかと言われるかもしれないが、ここでこうして書くということは、通常のタイトルよりもそう感じる向きが強くあるということだ。
とにかく処理すべきブロックは種類が多く、細かく、ゲームスピードも速め(とくに3分あたりを境に尋常ではない速さになる)。これが大前提だ。
であれば、プレイに相当な労力を必要とすることもお分かりいただけることと思う。さらに、上記のようなタッチパネルでの齟齬も起こる。すると普通の人は、ただテンパるだけだ。
打ち上げの爽快さ、ブロックの降り積もるハラハラ感、その狭間にひたすら混乱を感じるのか、それに打ち克つ神経を持っているかどうか。
どちらにせよ飽きるなり面倒になるなりすれば同じなのだが、体験として損なのは前者だろう。さほどすっきりせずに終わることになるのだから。
その点がまずもってゲーマー向けだし、それでもプレイしようと思わせるモチベーションの向上に大事な付加要素(ゲームプレイの本質がこんなに消耗的であれば、付加要素に頼らざるを得ない)にしても、惑星やアイテムの収集、もしくはスコア、と、こちらもまたゲーマー的。
とくに前者の収集要素は、ゲームプレイ中に打ち上げた隕石(ブロック)の、特定の種類と特定の数を組み合わせて収集を行うというシステムゆえ、作業的でもある。
ちなみに、個人的にはゲームプレイ自体のおもしろさを求めていたため、付加要素には全くと言っていいほど関心が無かった。プレイしてみてゲームプレイは微妙、付加要素への無関心もくつがえることなく、飽きがくるのはけっこう早かった。
最初に「タッチパネルだから敷居低くできた」感覚にギャーギャー言って、それで終わってしまった。
もしこのゲームに「気軽(もしくは手軽)にプレイできる」という旨のコピーがつけられたとしたら、真っ先にそれは東スポ的であると言える。
■総括■
オープニングに映画の予告編チックなムービーが入っていたが、そこだけは手放しで良い。
しかし、ゲーム的には、2,3回見て飽きる三文映画と同レベル。
~評価~
総合:軽い気持ちで手を出すと…完。
個人:金出したの勿体なかった。 4点。