6月 2, 2005
tronmc

レビュー:きみのためなら死ねる

■はじめに■

「FEEL THE MAGIC」

これは、「きみのためなら死ねる」の海外版タイトルに使われている言葉。
このゲームの主要開発であるUGA(かつてのセガ分社開発スタジオの一つ。ソニックチームと合併したが、現在は分社開発スタジオはセガ本社に統合)のゲームをいくつか遊んできた身としては、すんなりと受け入れ、納得することのできる言葉だ。

そう、UGAのゲームは魔法だ。

■馬鹿正直■
ラストのイベントをプレイしている自分に驚いた。
そのイベントには達成のために必要なアクションが大きく分けて二つ(考えようによっては三つ)あるが、その一つを、本体にこんなにも口を近づけて行っている。

…キチガイ!(゜∀゜)

じゃなくてさ、こういうところがUGAの魔法。
場面に相応しいプレイヤーへのテンションの持たせ方であり、演出であるのだが、それが単に場当たり的なものではなくて、作品全体にきっちりとバックボーンとしても収めてあるのだ。
逆に言えば、「こういうものです」という作品の概念を貫いてある(ただし、それゆえに表面的に「異色」な作品と見られるのも事実)。
では何もかも予想通りでつまらない作品かと言えばそうではない。
結論の結論は予想できるかもしれないが、それを手堅く迎える作りにはなっていない。
だからおもしろいし、結論の結論としては陳腐なことであっても感動できるのだ。

■ゲームですから■
上のことはこのタイトルに限らずUGAのゲームを俯瞰して書いたつもりだ。
では、次にこのタイトルのゲームプレイについて書いていこう。

ゲームプレイについては、ユーザーが行うことは非常に限られていて、ソフト側の提示によってその可能性を見ていく、今までのUGAと同じスタイルだと言える。このタイトルは「ミニゲーム集」という声があるほど多彩なゲームプレイがあるが、根本的にはタッチパネルを使うかマイクを使うかの二つだけだ。

今作でのタッチパネル操作は、非常に大きくゲームの可能性を広げたと思う。
実を言うと、従来の十字キーだのアナログスティックだのでまかなおうと思えばできることばかりではある。
が、そこは問題ではない。重要なのは直感的な操作でゲームの敷居を下げている点だ。
やはりルールもやることも様々なことが詰まっているこのゲームだが、それはタッチパネルならでは。タッチパネルのおかげでいちいち面倒な操作方法を覚える必要がない。また、目に入ったものにダイレクトに、確実にアクションを起こせる。
そうそう、どう見てもSC5としか思えないイベントもあるが、コントローラの感知でたまにイラつく本家より圧倒的にやりやすかったな…。

マイクについては既にべた褒めを一つ書いているので、ちょっと誉めるべきか微妙なところを一つ。
愛の言葉をマイクに向かって叫ぶイベントがあるのだが、叫ばなくても息を吹きかけるだけでクリアできてしまった。
これはどう捉えるべきか…。
団体プレイを見通した「場」の提供かな?
よし、このゲームをよく知らないヤツにいきなりやらせてみるか…!

ただ、ひとつ注意して欲しいのは、ゲームの敷居は下げているが、ゲームプレイヤーとしてのセンスが不要ではない、ということ。
パッケージに記載してあるジャンル表記としては、「ミニゲーム・バラエティ」ではなく「タッチアクション」だ。
その通り本質的にはアクションゲームで、いわゆるゲームの「お約束」を押さえる感覚が多少必要になるのも事実だ。

勿体ない、とは言わない。これゲームなんだし。

■押さえるところを押さえるセンス■
なんだかんだ言っても携帯機で、現行据置機よりパワーや容量があったりもしなければ、画面も小さいし音も悪い。現行据置機よりは。
そうなればサウンドやグラフィックも一級品とは言えないが、そこにもUGAのセンスが生かされているのではないかと思う。
このタイトルに関しても、ポリゴンにジャギはあるし、お粗末気味な2Dがあったりもすれば、イベント数に比べればBGMも多くない。
だが、それが全く支障にはなっていない。むしろ効果的な手抜きではないのかと関心してしまうほどだ。そんなことができるセンスが羨ましい…orz

羨ましいセンスといえば、お得意の紙一重なアホ演出も見逃せない。
UGAらしく、大笑いするというよりは、ツッコみを入れてクスクス笑いたくなる場面が物語、造形などに多々見受けられる。
主人公の頭が実はアレだったりとか…。

■愛しの彼女■
CERO審査は全年齢!
しかし……………。
ま、さすがにハードなのが好きな人はダメだけど(ぉぃ!

ところで審査といえば、過去の遺物にも様々な抜け道があったのを思い出す方も多いのではないだろうか?
例えば、「音声」とか。
音声も…イイネ!イイネ!イイネ!さすがにハードなのが好きな人はダメだけど。

キャラクターがシルエット基調なのが端的に表現してると思うが、とくに彼女については、女性の持つ総合的な要素を表している感じがある。美しさ、可愛さ、綺麗さ、艶めかしさ…書いたらキリがないところだ。まぁ、人間に、そして女性にこうであると決まった絶対的なものはないゆえにどんな言葉も当てはめられるしどんな感覚をも受け取れるから、そうもなろう。

それくらい素晴らしいキャラクターに仕上がっている彼女だからこそ疑問がある点があるが、これは次で述べよう。

■弱点→分量■
UGAの作品には必ずと言っていいほどついてくる問題だが、分量が少ない。
もちろん通常プレイとしては適宜であるのだが、その後があまり続かないため、結局は長期間のプレイに適さない。
このタイトルで一通りゲームを終えた後にすることといえば、難易度の上がるモードに挑戦したり、各イベントのフリープレイモードやストーリーに隠されたクリックポイントを見つけだして、隠し要素である彼女の衣装を見つけること。
これではクリア後プレイのモチベーションもまちまちになろう。

また、このゲームには彼女という素晴らしいキャラクターがいるのだが、正直言って生かし切れていない。
終盤で彼女との想い出を描いたと思われるグラフィックが大量に挿入される場面があるが、そこだけはさすがにやりきれない気持ちになった。本当に片手で数られるくらいの「数時間」であり、奇抜なイベントの多さもあって、プレイヤーは彼女とはそこまで接していないのにも関わらず、膨大な想い出にされてしまっていると取れる。
そう、つまりは、

もっと彼女に触らせろ。

もちろん、具体的な存在ではないから彼女関連のイベントを増やして具体的なことをさせてしまうのは危険だ。だが、ストーリーを脱したところならもう少し何かできるのではないだろうか?そう、つまりは、

隠し要素でもっと彼女に触らせろ。

いや、もうね、このゲームもうちょっと方向ズレてたら「彼女が主人公に惹かれるまでの描き込みが足りない」とか言ってたところですよ?

■総括■
欲求不満はおいといて。
やられた。なんつーゲームで遊ばせてくれるんだ!
リスペクトがあふれ出す。

?評価?
総合:イロモノやネタものだと思って手をつけないのは非常に勿体なさすぎるぞ。
個人:ニンテンドーDS、これを越える作品がでるかどうか楽しみだ。9点。

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